御家流 春季茶道 香道大会・東京 護国寺/海老澤宗香 茶道教室 東京九段・茨城笠間



5月7日
東京 護国寺にて開催された
御家流春季茶道 香道大会 にいって参りました

御家流とは江戸時代初期に美濃加納藩主の安藤信友が興した茶道と
旧大名家に伝わる香道とを伝えている流派で

今回は16世宗家の安藤綾信様が
香席3席 茶席4席 の席主をされました





香道は作法に従って席中で数種類の香木を炊き
客は香をかぎ分けて当て
書記もいて記録に残すというものです


 

こちらが香木を炊く 香炉
灰の中に熱した炭団を入れ
美しく整える作業も客前で行われます

茶道にも花月という集団で行う点前がありますが
その中にお香を炊き皆で楽しむという所作もあります
しかし省略された形ですので
その中に含まれた本来の姿を拝見できて
大変勉強になりました


今回は海老澤社中の

きょう様(香道では名前の頭2文字で呼び合う)
が全問正解して会記をいただくことができました合格



香道で面白いのは数々のテーマがあることで
例えは写真の会記の 「異六玉川香」 というのは
3種類の香の出された順番を当てるのですが
組み合わせは6通りあることになります
それに枕詞として有名な玉川を歌った歌を当てはめるのです

井手の玉川 (山城国)
駒とめてなほ水かはん山吹の花の露そふ井手の玉川  藤原俊成

高野の玉川 (紀伊国)
忘れても汲みやしつらん旅人の高野の奥の玉川の水  空海

調布の玉川 (武蔵国)
玉川にさらす手づくりさらさらに昔の人の恋しきなぞや  拾遺集

野路の玉川 (近江国)萩の名所
明日も来ん野路の玉川萩こえて色なる浪に月宿りけり  源俊頼

野田の玉川 (陸前国)
夕されば汐風みちてみちのくの野田の玉川千鳥なくなり  能因法師

三島の玉川 (摂津国)
見渡せば波のしがらみかけてけり卯の花咲ける玉川の里  相模


他にも 香席のひとつ 「月光殿」 では
その建物名に相応しく光源氏と朧月夜の舞楽香
盤ゲームの様なもので
2チームに分かれ香を当てると人形を進め
ふたりが逢えるかどうか…ラブラブを見守るという
(源氏物語を知っていると逢ってしまうのも
どうなのかしらとハラハラが止まらないという)
なんともロマン溢れる趣向なのです






興味深かったのは利休居士が秀吉公の陣中見舞いの際に
考案されたという 旅箪笥 の席です



風炉に釣釜 で野点の風情がありました
男性席ということで袴をつけた男性陣が席中を行き来しまして
いつもの女性ばかりの華やかな茶会とはまた違った
力強く凛として まさに陣中でお茶をいただいている様な
新鮮なお席でした



床は秀吉の代筆で前田玄以が陣中から家康に書いた文
陣中の緊迫した空気が伝わる荒々しい字





そして席を催す際に御宗家から賜ったというお手紙




立礼席の待合は 「東下リ」 でした



己の身を儚んだ男が京の都を離れ東に旅に出るという伊勢物語の一節

「時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらん」

と初夏に現れた富士の残雪に驚く気持ちが歌われています
燃えるような新緑と強い日差しの中に現れる涼しげな富士
掛物を拝見するだけで澄んだ空気を感じます





貝桶を利用した艶やかな立礼卓
貝桶の蓋は菓子器として登場しました



伊勢物語の主人公プレイボーイ在原業平の
華やかな日々を描くようなお席でした

 





お点前は千家とはやはり違い
武士を象徴するように
鞘から刀を抜いたり弓を放ったりする様な所作が
たくさん盛り込まれ 力強い印象を受けます






徳川綱吉が描いた柿本人麻呂と牡丹に砧青磁の花入

御宗家は徳川譜大名として代々続く武家であり
数茶碗ですら明の時代のものであったりあせる
とてつもないお道具ばかりです

ほんとうに素晴らしい事は
御宗家自ら全席に目を配り
会記を全員に配ってくださったり
貴重な物であるにも関わらず
写真を撮って 触って 沢山勉強して帰ってください
という 利他の精神 です




包まれるような大きな御心を感じ
魂が洗われました
また進化した気持ちで茶ノ湯に取り組みますアップ







次回の お稽古は5月27日
 ワークショップは5月28日 です

【海老澤 宗香 茶道教室のごあんない】

 

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